広告の数字が悪いとき、新作を作る前に「同じ条件で再テスト」

広告の数字が悪くなると、「新しい動画を作ろう」「ターゲットを変えよう」と考えがちです。もちろん改善案を試すことは大切です。ただ、クリエイティブもターゲティングも一度に変えてしまうと、何が結果を変えたのか分からなくなります。

僕はこれを、設定をいじり続ける“ガチャガチャ”にしないことが大切だと感じています。

同じ動画・同じ設定でも、結果に差が出ることがある

最近の配信で気になったのは、同じクリエイティブ、同じターゲティングで広告を3本、それぞれ2,500円ずつ配信しても、結果にかなり差が出ることです。

  • 1本は2,500円使ってもコンバージョンがゼロ

  • もう1本は獲得単価が1,500〜1,800円ほど

  • 残る1本は568円ほど

さらに配信を続けてみると、最初に反応がなかったものは3,000〜4,000円まで使っても獲得できず、1,800円前後だったものは1,500円ほど、568円だったものは600〜700円ほどに推移するケースがありました。

これは僕の配信で見えた傾向で、いつでも同じ結果になるという意味ではありません。広告の目的や計測条件、配信量によって結果は変わります。

数字が悪いとき、何を変えたのか分からなくならないように

配信システムが初期のクリックや購入などの反応をどう学習し、その後の配信先にどう影響するのか。僕には、初期の反応によって結果が偏って見える可能性があるように感じています。ただし、これは現時点では仮説です。仕組みとして断定できる話ではありません。

だからこそ、悪い数字を見てすぐに動画もターゲットも変更するのではなく、条件をそろえて再テストし、同じ傾向が再現するかを確かめたいと思っています。

1週間うまくいかなかったら、同じ条件で複製してみる

今回試してみたいのは、1週間ほど配信して期待した結果が出なかったときに、クリエイティブもターゲティングもそのままにして、広告を複製してもう一度配信する方法です。

  1. 比較するコンバージョンの定義と計測期間をそろえる

  2. 動画・ターゲティング・予算など、比べたい条件を固定する

  3. 一定期間配信し、獲得数と獲得単価を記録する

  4. 複製した配信でも同じ傾向が出るかを見る

再テストでも同じように数字が悪ければ、クリエイティブやターゲティングを見直す根拠が少し増えます。反対に、同じ条件で結果が変わったなら、最初の配信結果だけで判断するのは早かったかもしれません。どちらの結果でも、次に変える要素を一つずつ選びやすくなります。

複製すれば必ず改善する、という話ではありません。配信期間や予算が小さい場合は偶然の振れも大きくなります。変数を増やさず、結果を記録して確かめるための実験として考えています。

再配信を「当たり待ち」にしない

今回の結果を見て、もう一つ考えたいのが、「この動画が刺さるターゲットを、十分に探しただろうか」という視点です。同じ設定でも差が出たことだけで、原因がターゲットだったとは断定できません。ただ、悪い結果が出た相手だけを見て、動画の可能性まで諦めていないかは確認したいところです。

キャンペーンを複製し続けて当たりを待つだけでは、次に活かせる判断材料が増えません。再テストで結果の振れを確かめたうえで、誰のどんな悩みに届けるのかを整理し、セグメントを作って検証することが大切だと思っています。

検索サジェストから、相手の悩みを拾う

YouTube広告のターゲットを考えるなら、検索キーワードを調べることもできます。例えばGoogleの検索窓に「Meta広告」と入力し、続けてスペースを入れてみる。表示されるサジェストを、相手が何に困り、何を知りたがっているのかを考える材料にします。

拾った言葉を、そのまま一つのリストに詰め込むのではなく、検索する人の悩みや目的で分けてみます。以下は分類を考えるためのキーワード例で、実際に表示されたサジェストの調査結果ではありません。

  • 獲得コストに悩む人:「Meta広告 CPA 高い」「Meta広告 費用対効果」

  • 成果を改善したい人:「Meta広告 成果が出ない」「Meta広告 クリエイティブ 改善」

  • 運用を相談したい人:「Meta広告 運用代行」「Meta広告 代理店 比較」

同じ「Meta広告」に関心がある人でも、解決したいことは違います。実際のサジェストを調べながら、自分の商品や動画が役に立つ悩みを選び、セグメントの仮説を作っていきます。

検索語を使って、セグメントごとに検証する

Google広告のカスタムセグメントでは、対応するキャンペーンで、Googleサービス上で検索された語句をもとにオーディエンスを設定できます。指定した語句だけでなく類似の検索語句も対象になるため、検索広告の完全一致キーワードと同じ仕組みではありません。

まずは管理画面で使える設定を確認し、「獲得コストの悩み」「成果改善の悩み」など、目的が分かるまとまりを作ります。動画を作り直す前に、今の動画が役に立つ相手を具体的に探す。ここを丁寧に検証したいと考えています。

設定の仕組みはGoogle広告公式ヘルプ「カスタムセグメントについて」でも確認できます。

同条件の再テストと、セグメントの比較を分ける

同じ設定で複製するテストは、条件を変えずに結果の傾向を確認するためのもの。一方、セグメントを比べるテストは、届ける相手についての仮説を確かめるためのものです。

セグメントを比較するときは、動画・遷移先・コンバージョンの定義をそろえ、予算と期間も比較できるように記録します。動画も相手も同時に変えず、「今回は誰に届けるかを比べる」と決めて進めます。

サジェストを使えば必ず成果が良くなるわけではありません。検索する人の悩みと、広告のメッセージ、案内先の内容が合っているかを確かめるための材料として使います。

作り直す前に、刺さる相手を探し切ったか

数字が落ちたときこそ、今の条件で再現するかを確かめ、その動画が役に立つ相手を十分に探したかを見直す。キャンペーンをガチャ感覚で回すのではなく、相手の悩みを言葉にして、一つずつ検証していきたいと思います。

僕も再テストとセグメントの検証を進め、実際に分かったことを「YouTube広告実験室」で記録していきます。

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著者 清瀬 淳

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