YouTube広告実験室|比較する前に、五つの前提を照合する
同じと確認できた / 違いがあった / 記録がなく未確認
以前、この実験室で、同じクリエイティブとターゲティングの設定でも、キャンペーンごとに結果に差が出たことを紹介しました。
その観察を次に活かすとき、僕がもう一度考えたいのが「同じ条件」という言葉です。
同じ動画を使った。届ける相手の設定もそろえた。そのうえで、何を、どの記録で確かめたのか。ここを短く残せれば、結果の読み方も整理しやすくなると思っています。
今回は、新しい配信や、過去の全条件を照合し終えた報告ではありません。複製したキャンペーンなどを比べる前に、手元の記録から確認したいことをまとめる企画ノートです。
「同じ」の横に、確認したものを書く
たとえば、動画が同じというとき。ファイル名の記憶だけで判断せず、実際に使った動画を見比べる。冒頭、字幕、最後の案内まで、どの版を使ったかを確認する案です。
伝えた言葉も見ておきたい。「費用を整理したい方へ」と「今すぐ相談したい方へ」では、読み手に案内している話が変わります。これは説明のための仮の例で、過去の広告にこの差があったという意味ではありません。
動画の素材が共通でも、広告に添えた見出しや案内文はどうだったか。届ける相手についても、対象として記録した内容を並べます。
「似た内容だった」を、一つの「同じ」にまとめないようにしたい。
案内先は、URLと中身を一緒に見る
次は、広告を見た人が進むページです。
同じURLでも、途中で見出しや申込内容を書き換えていれば、見た人が受け取る説明は変わります。比較した期間に、どの内容が表示されていたか。保存した本文や変更メモなど、残っている資料から確かめます。
記録がなければ、当時のページを確認できない、と書いておく。今のページを見て、過去も同じだったことにはしません。
成果と呼んだ行動も、そばに置く
資料の案内を開いたこと。フォームを送信したこと。体験に申し込んだこと。それぞれ、起きた行動が違います。
今回はどれを成果として集計したのか、比較する記録の横に一文で添えます。店舗の予約でも、講座の資料請求でも、自社で増やしたい行動に置き換えて確認できます。
広告費や獲得単価だけを並べる前に、何の行動を数えた結果なのかをそろえる。そのための照合です。
小さな照合メモを作ってみる
次のような形なら、長い報告書を作る前にも整理できそうです。以下は記入方法の案で、照合済みの実験データではありません。
| 動画・訴求 | 使用した版、冒頭や最後の案内、広告に添えた言葉を確認したか。 |
|---|---|
| 届ける相手 | 想定した悩みと、記録に残る対象の設定を確認したか。 |
| 案内ページ | URLに加えて、比較する期間の見出しや申込内容を確認できるか。 |
| 成果 | 何が起きたら一件とする記録か。集計対象を説明できるか。 |
| 費用・期間 | 設定した予算、実際に使った広告費、開始と終了、集計の範囲はどうか。 |
それぞれに「同じと確認できた」「違いがあった」「記録がなく未確認」のいずれかと、確認に使った資料を書き添えます。
同じ予算を予定していても、実際に使った金額が同じとは限りません。配信した期間と、結果を集計した期間も別々に残しておきたい。
そろわない条件も、比較の一部にする
曜日や実施時期までそろえられなかった。途中で案内ページを直した。確認できない項目が残った。そうしたことも、結果の横に書きます。
このメモで条件がそろっていると確認できても、数字の差の原因まで確定したことにはなりません。同じにした範囲と、まだ説明できない範囲を見渡すために使います。
まずは既存の記録で照合してみる。足りない記録が分かれば、次に比較を計画するときに、何を保存するかも決められます。
キャンペーンを複製すれば改善する、最初の成果でその後が決まる、といった結論を出すための表ではありません。この照合を理由に、配信を増やしたり広告費を追加したりする必要もありません。
「同じだったはず」を、確かめられた範囲の言葉にする。結果を振り返るときの、小さな土台にしたいと思います。
YouTube広告を、自社の集客でどう使うか
何を伝え、どのページへ案内し、どんな行動につなげたいか。YouTube広告の活用を考える入口として、「YouTube広告解体新書」をご案内しています。ご自身の広告を振り返る際にもご覧ください。

